【為替】139円で円高トレンドは終わったのか | 吉田恒の為替デイリー | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

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2~3年続き米ドルが2~3割下落する=円高トレンドの平均

米ドル/円は2024年7月の161円から、2025年4月の139円まで下落したものの、その後は2ヶ月以上底堅い展開となった(図表1参照)。ではあの139円で、今回の米ドル安・円高トレンドは終わってしまったのだろうか。

【図表1】米ドル/円の週足チャート(2024年1月~) 出所:マネックストレーダーFX 2000年以降の米ドル安・円高トレンドはこれまで5回あった。その継続期間は、1年~4年4ヶ月で平均は2年7ヶ月だった。また1つのトレンドの中での対円での米ドル最大下落率は、14.4~39.5%で平均は26.4%だった(図表2参照)。以上から分かるのは、米ドル安・円高トレンドは2~3年続き、その中で米ドルは2~3割下落するのが普通であり、最短の場合でも1年以上は続いたということだ。

【図表2】過去の円高および円安のトレンド(1998年~) ※注:最大変動率は対円での米ドルで計算 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 では今回はどうか。2024年7月161円から始まった今回の米ドル安・円高トレンドが、仮に2025年4月139円で終わったなら、9ヶ月続き、米ドルが13%程度下落したところで早々に終わったということになる。過去の米ドル安・円高トレンドの実績を未だ下回っているという意味で言えば、今回の米ドル安・円高トレンドはあの139円で終わったわけではなく、なお途上にあると考えるのが基本ではないか。

今回の円高トレンドで120円割れは現実的なのか?

過去の米ドル安・円高トレンドの継続期間、米ドル下落率の平均は2年7ヶ月、26.4%だった。今回の米ドル安・円高トレンドが、仮に過去の平均並みに展開するなら、2027年2月にかけて120円を割れるまで続くとの見通しになるが、果たしてそれは現実的だろうか。

米ドル/円の5年MA(移動平均線)かい離率は、1980年代にはマイナス4割以上に拡大することもあったものの、最近の10年間ではマイナス1割以上に拡大することはなかった(図表3参照)。これは、日本の貿易収支がかつての大幅な黒字から赤字に転落したことなどが象徴的に示す経済の衰退化により、円高になりにくい変化が長い時間の中で起こってきたことを示していると考えられる。

【図表3】米ドル/円の5年MAかい離率(1980年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 足下の米ドル/円の5年MAは132円程度であり、仮に今回の米ドル安・円高トレンドで120円を割れるなら、5年MAかい離率はマイナス1割程度まで拡大する計算になる。これまで見てきた経済構造の変化からすると、それが現実になるのは微妙であり、米経済の急悪化など想定以上の米ドル安リスクが必要になるのではないか。

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