This page may contain third-party content, which is provided for information purposes only (not representations/warranties) and should not be considered as an endorsement of its views by Gate, nor as financial or professional advice. See Disclaimer for details.
資産運用における「金」の役割 | ポートフォリオのすすめ | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
近年、金(ゴールド)への投資が再び注目を集めています。これは、通貨の信認低下への備えやインフレへのヘッジ手段として、さらには地政学リスクの高まりといった要因を背景に、「価値の保存手段」としての金の特性が改めて評価されているためでしょう。
実際、2025年の年初来パフォーマンスを見ると、金価格は先週末で25%と、世界株式(MSCI世界株指数)の8%を上回る上昇となっております。
それでは、資産の中でどの程度の割合を金に振り向けるべきなのでしょうか。時価総額比率に基づいて投資ウェイトを決定する考え方に基づくと以下の通りです。
世界の株式の時価総額は約130兆ドルとされる一方、金の時価総額はおおよそ23兆ドルと見積もられています。この比率に従えば、株式の約2割が金であることになり、仮にポートフォリオ全体を株式60%、債券40%とした場合、金の保有比率は全体の10%程度が一つの目安になると考えられます。
もっとも、金は利子や配当を生まない資産であり、この点は資産運用における保有の動機を考えるうえで重要な視点となります。ただし、別の側面から見ると、金は「収益を生まない」代わりに「価値の毀損リスクが比較的低い」資産とも捉えられます。
実際、金融市場が混乱し他のリスク資産が大きく値を崩す局面では、金は相対的に下落幅が小さかったり、逆に買いが集まって上昇することもあります。
こうした性質から、金はポートフォリオ全体の損失を和らげる「金融保険」としての役割を果たす資産と位置づけられています。
そもそも保険とは、平常時に備えて加入し、有事の際に恩恵を受けるものです。この点で、金も同様に話題になったときは買い時とは言えません。価格が急騰した後に追随して保有を始めるのではなく、市場が安定している平時にこそ、計画的にポートフォリオへ組み入れることが望まれます。
とはいえ、現在のように、経済環境やマーケットが不安定に推移している局面では、金の保有は一段と意義を増しています。現時点でまったく保有していない場合は、まずは全体資産の2~3%程度からスタートし、市場環境や自身の資産の動きを見ながら、徐々に安心感のある比率まで引き上げていくことが、無理のないアプローチであると考えられます。